【カラミざかり番外編3〜その後の新山〜】ネタバレなしレビュー|あらすじ・見どころ・読む順番

『カラミざかり番外編3〜その後の新山〜』は、作者・桂あいりによる「カラミざかり」シリーズの番外編第3弾です。
今回の中心人物となるのは、本編シリーズにも登場した新山。
第1作から第3作までの本編では、クラスメイトの男女4人を中心に、友情や片想い、すれ違う感情によって関係が変化していく様子が描かれました。
そして番外編3では、その本編で描かれた「あの夏」からさらに時間が進みます。
季節は新学期。新山の前に現れるのは、年下の幼なじみ。そして、昔好きだった同級生。
本編の4人の関係をそのまま繰り返すのではなく、夏を経験した後の新山が、新しい人間関係の中でどう変わっていくのかを描いているのが本作の大きな特徴です。
全99ページ。
番外編シリーズの中では最もページ数が多く、本編第1作『カラミざかり』の91ページを上回るボリュームがあります。
この記事では、『カラミざかり番外編3〜その後の新山〜』の作品情報・あらすじ・本編や前作との違い・見どころ・おすすめしたい人・読む順番・読んだ感想を、大きなネタバレを避けながら紹介します。
『カラミざかり番外編3〜その後の新山〜』の作品情報
【作品情報】
作品名
カラミざかり番外編3〜その後の新山〜
作者
桂あいり
配信開始日
2022年12月9日
作品形式
コミック
ページ数
99ページ
題材
オリジナル
シリーズ
カラミざかり 番外編第3弾
本作は、『カラミざかり3』で本編が一区切りを迎えた後に展開された番外編シリーズの第3弾です。
これまでの番外編では、
番外編1=貴史と飯田
番外編2=貴史と竹内先輩
と、特定の人物や関係へスポットを当てていました。
それに対して番外編3では、本編にも登場した新山そのものを主人公に近い位置へ置き、その後の時間を描く構成になっています。
さらに重要なのが、物語の時間です。単純に本編と同じ時期の出来事を補足するのではありません。
「あの夏」が終わり、新学期へ。つまり本作は、本編の横を描く番外編というより、本編の先へ時間を進める番外編として見ると特徴が分かりやすくなります。
カラミざかり番外編3〜その後の新山〜のサンプル画像




『カラミざかり番外編3〜その後の新山〜』のあらすじ
さまざまな出来事があった夏が終わり、季節は新学期へ。本編で複雑な人間関係を経験した新山も、新しい日常を過ごしています。
そんな新山の前に現れる二人の人物。一人は、年下の幼なじみ。もう一人は、昔好きだった同級生。
二人とも、新山にとって完全に無関係な新しい人物というわけではありません。
過去からのつながりを持つ人物です。本編では、高成・新山・飯田・里帆という4人の関係が中心でした。
しかし番外編3では、その4人の輪から少し離れ、「新山自身は、あの夏の後にどんな関係を築いていくのか」へ視点を移します。
過去に経験した出来事。昔の気持ち。新しい日常。そこへ現れる二人。本編を経た新山は、新しい季節の中でどんな人間関係へ進んでいくのか。
『カラミざかり』の世界を「その後」という視点から描いた番外編です。
個人的に今回の番外編で一番重要だと思うのは、「新山が主役になったこと」以上に「時間が先へ進んだこと」です。
本編の夏を別の視点から描くだけではなく、新学期へ進む。
だからこそ、単なる補足ではなく「新山の次の物語」として読める作品になっています。
『カラミざかり番外編3』は本編と何が違う?
男女4人の群像劇から「新山一人のその後」へ
本編シリーズ最大の特徴は、4人の感情が複雑に絡み合っていくことでした。高成。新山。飯田。里帆。誰か一人の行動が、別の人物へ影響する。
その変化がさらに残りの人物へ広がる。この4人構成が、本編の面白さでした。
一方、本作では視点が大きく変わります。中心となるのは新山。
本編で経験したことを経て、「新山自身がこの先どうなるのか」を追う作品になっています。
そのため、
本編=4人の関係を見る
番外編3=新山のその後を見る
という違いがあります。
「あの夏」の補足ではなく新学期へ進む
ここは本作の大きな差別化ポイントです。
番外編というと、「本編の裏側ではこんなことが起きていた」という補足作品も多いです。
しかし本作は違います。夏が終わっています。そして新学期が始まります。
つまり、時間軸そのものが前へ進む。本編の出来事をもう一度別視点で見るのではなく、その経験を持った新山が次の時間へ進んでいく作品です。
本編の4人とは違う新しい人間関係
新山の前に現れるのは、年下の幼なじみと昔好きだった同級生。本編の中心4人をそのまま使って続編を作るのではありません。
新しい人物との関係を作ることで、新山を本編とは違う角度から描けるようになっています。
個人的にはここが番外編3らしいところです。
本編では、「4人の中の新山」でした。
本作では、「新しい人間関係の中にいる新山」を見ることができます。
過去と現在の新山を比較できる
「昔好きだった同級生」という設定があることで、新山の過去にも自然に視線が向きます。
さらに本編で描かれた夏も、新山にとってはすでに過去になっています。
そのため本作では、昔の新山 本編の夏を経験した新山 新学期の新山という複数の時間を意識しながら読めます。
単純な新キャラクター追加ではなく、過去と現在を比較できる構成になっているのがポイントです。
前の番外編とは何が違う?
番外編1は人物フォーカスの35ページ短編
『カラミざかり番外編〜貴史と飯田〜』は35ページ。
本編完結後に、貴史と飯田という特定の人物へカメラを寄せる短編でした。
役割としては、「本編を別の人物からもう少し見る」タイプの番外編です。
番外編2は人物+舞台を絞った81ページ
『カラミざかり番外編2〜竹内先輩と部室〜』は81ページ。貴史と竹内先輩に加えて、野球部の部室という舞台まで絞りました。
番外編1より長く、一本の関連作品としてのボリュームも増えています。
番外編3は時間を先へ進める99ページ
そして本作は99ページ。中心人物は新山。さらに「あの夏」から新学期へ時間が進みます。
3作品を整理すると、
番外編1=人物を絞る
番外編2=人物+舞台を絞る
番外編3=人物を絞り、その人物の時間を先へ進める
という違いがあります。
個人的には、番外編3になって初めて「本編の後を追う」という意味がかなり強くなったと感じました。
タイトルも「その後の新山」。
誰を描くかだけでなく、“いつの新山を描くか”まで明確になっているのが前2作との大きな違いです。
『カラミざかり番外編3』の見どころ
本編では4人の一人だった新山が中心になる
本編では、新山だけを追っていれば物語が成立するわけではありませんでした。
高成。飯田。里帆。ほかの3人の気持ちや行動があってこそ、4人全体の関係が変化していきます。
一方、本作では新山自身へ視点を寄せられます。
本編を読んで、「新山はこの先どうなるんだろう?」と思った人には、まさにその疑問に近いところを描く番外編です。
「あの夏の後」が描かれる
シリーズを追ってきた読者にとって、この部分はかなり重要です。
本編で強く描かれた夏。その時間はすでに終わっています。
新学期が始まったことで、登場人物たちの時間は本編完結後も続いているということが分かります。
完結した本編の結末を壊すのではなく、その先の一人を描く。この距離感は番外編として自然です。
年下の幼なじみと昔好きだった同級生
今回新たに登場する二人も、本作の特徴です。
一人は年下。一人は同級生。さらに、幼なじみと昔好きだった相手という、新山との過去の関わり方も異なります。
そのため、二人の新キャラクターをただ並べるだけではなく、新山の過去を別々の角度から見せられる構成になっています。
「新しい恋」だけではなく新山自身の変化を追える
本作は新しい人物が登場するため、「最終的に誰とどうなるのか」に目が行きやすい作品です。
ただ、個人的には結果だけを見るより、本編を経験した新山が、新しい人間関係へどう向き合うのかを見る方が面白いと思います。
同じ新山でも、本編の最初と新学期では経験してきたことが違います。その変化を感じられるのが、「その後」を描く作品ならではの魅力です。
番外編最大の99ページ
番外編シリーズのページ数を並べると、
番外編1:35ページ
番外編2:81ページ
番外編3:99ページ
です。
番外編3は最も長くなっています。
さらに本編第1作『カラミざかり』は91ページなので、本作の方が8ページ多いです。つまりページ数だけでいえば、本編第1作を超えるボリュームの番外編。
「ちょっとした追加エピソード」というより、新山を主人公にした一本のスピンオフとして読みやすい長さになっています。
『カラミざかり番外編3』はこんな人におすすめ
本作は、次のような人におすすめです。
・『カラミざかり』本編3作品を読んだ
・新山のその後が気になっていた
・本編完結後の時間を描いた作品を読みたい
・新山を中心にしたストーリーを読みたい
・本編とは違う人間関係を楽しみたい
・年下の幼なじみという設定が気になる
・昔好きだった相手との再会を描く物語が好き
・登場人物の過去と現在を比較しながら読みたい
・90ページ以上ある関連作品を読みたい
・短いおまけではなく、まとまった番外編を読みたい
・本編後も続くシリーズ世界を楽しみたい
・番外編シリーズを順番に追っている
特に、本編で新山という人物が気になっていた人には、番外編シリーズの中でも優先して読みやすい作品です。
逆におすすめしにくい人
本作はタイトル通り「その後の新山」を描いています。
そのため、本編をまったく知らない状態では、何の“その後”なのかが分かりにくくなります。
また、高成・新山・飯田・里帆の4人全員を中心にした本編第4作を期待している人にも、方向性は異なります。
本作は、4人全体の続きを描く作品ではなく、本編後の新山へ視点を寄せたスピンオフとして考えるのがおすすめです。
『カラミざかり』シリーズはどの順番で読む?
これからシリーズを読むなら、基本的には本編から番外編へ順番に進むのが分かりやすいです。
『カラミざかり』
↓
『カラミざかり2』
↓
『カラミざかり3』
↓
『カラミざかり番外編〜貴史と飯田〜』
↓
『カラミざかり番外編2〜竹内先輩と部室〜』
↓
『カラミざかり番外編3〜その後の新山〜』
特に本作は、「あの夏」から、「新学期」へ時間が進んでいます。
そのため、第1作〜第3作を読んでから本作へ進むことで、新山にとって夏がどんな時間だったのかを理解したうえで「その後」を楽しめます。
番外編1・2も順番に読むとシリーズ全体を追いやすいですが、新山のストーリーという点では本編3作品の理解が特に重要です。
『カラミざかり番外編3』を読んだ感想
個人的に本作で一番良いと思ったのは、「番外編なのに、ちゃんと物語が前へ進んでいる」ところです。
番外編1では貴史と飯田。番外編2では貴史と竹内先輩。どちらも、本編では中心にならなかった人物や関係へ視点を移す作品でした。
そして番外編3では、その考え方からさらに一歩進んでいます。新山へ視点を絞るだけではありません。
時間まで先へ進む。夏が終わる。新学期になる。新しい人間関係が始まる。
この流れによって、「本編の別角度」ではなく、「新山の次の章」という印象がかなり強くなっています。
個人的にはここが、前2作との一番大きな違いです。また、新しく登場する人物の設定も面白いです。
年下の幼なじみ。昔好きだった同級生。二人とも、新山と過去の接点があります。
完全に新しい人物と一から関係を作るだけではなく、昔からのつながりを使うことで、「新山は以前どんな人物だったのか」にも自然に興味が向きます。
さらに、本編の夏を経験していることも忘れられません。昔。本編。新学期。新山には複数の時間があります。
そのため、「誰とどうなるのか」だけでなく、「新山自身が以前と比べてどう変わっているのか」を見る方が、作品としては面白いと感じました。
そして全99ページ。番外編1の35ページと比べれば約3倍。番外編2の81ページよりも18ページ長い。
さらに本編第1作の91ページさえ上回っています。
ここまで来ると、「番外編だから短い追加作品」という印象はほとんどありません。個人的には、「新山を扱った番外編」ではなく、「本編の夏を経験した新山が、新学期で昔と新しい人間関係に向き合っていく99ページのスピンオフ」として見ると、本作の特徴が一番分かりやすいと思いました。
本編では、4人の中にいる新山。番外編3では、一人の人物として次へ進む新山。
この違いがあるからこそ、本編を読んで新山が気になっていた人には特に意味のある作品になっています。
『カラミざかり番外編3』のよくある質問
Q. 『カラミざかり番外編3〜その後の新山〜』はどんな作品ですか?
A. 『カラミざかり』本編に登場した新山を中心に、あの夏が終わった後の新学期と新たな人間関係を描いた番外編第3弾です。
Q. 作者は誰ですか?
A. 本編シリーズと同じ桂あいりです。
Q. 誰が中心の作品ですか?
A. 本編にも登場した新山が中心です。
Q. 本編より後の話ですか?
A. はい。本編で描かれた夏から季節が変わり、新学期を迎えた新山のその後が描かれます。
Q. 新しい登場人物はいますか?
A. 新山の前に「年下の幼なじみ」と「昔好きだった同級生」が登場します。
Q. 何ページありますか?
A. 全99ページです。
Q. 番外編シリーズでは一番長いですか?
A. はい。番外編1は35ページ、番外編2は81ページ、本作は99ページです。
Q. 本編第1作より長いですか?
A. はい。本編第1作『カラミざかり』は91ページなので、本作の99ページの方が8ページ多くなっています。
Q. 番外編3だけでも読めますか?
A. 単独で読むこともできますが、「その後の新山」という作品なので、本編で新山がどんな経験をしたのかを知ってから読む方が楽しみやすいでしょう。
Q. 本編第4作ですか?
A. 本編4人全体の続編ではなく、新山のその後へ焦点を当てた番外編・スピンオフとして考えると分かりやすいです。
『カラミざかり番外編3〜その後の新山〜』まとめ
『カラミざかり番外編3〜その後の新山〜』は、桂あいりによる「カラミざかり」シリーズの番外編第3弾です。
今回の中心人物は新山。本編で描かれた夏が終わり、季節は新学期へ進みます。
そこで新山の前に現れるのが、年下の幼なじみ。昔好きだった同級生。
本編の4人全体をもう一度描くのではなく、本編後の新山自身と新しい人間関係へ焦点を移しているのが最大の特徴です。
シリーズの流れを整理すると、
本編第1〜3作=4人の関係を描く
↓
番外編1・2=本編では中心ではなかった人物や関係へ視点を寄せる
↓
番外編3=新山へ視点を寄せたうえで、時間そのものを新学期へ進める
という変化があります。
全99ページで、番外編シリーズでは最大のボリューム。本編第1作の91ページも上回っています。
そのため個人的には、「本編のおまけとして新山を描いた短編」ではなく、「あの夏を経験した新山が、新学期で過去と新しい人間関係に向き合う一つの独立したスピンオフ」として見るのが一番分かりやすいと思いました。
本編を読んで、「新山はこの後どうなったんだろう?」と気になっていた人ほど、本作を読む意味を感じやすいでしょう。
サンプルを見て絵柄や作品の雰囲気が気になった方は、本編もチェックしてみてください。
作者、桂あいりさんの別作品