【カラミざかり3】ネタバレなしレビュー|あらすじ・見どころ・完結編の感想

『カラミざかり3』は、作者・桂あいりによる「カラミざかり」シリーズ第3作です。
物語の中心となるのは、第1作から続く高成・新山・飯田・里帆の男女4人。
第1作では、それまで何気なく一緒に過ごしていた4人の関係が、ある夏の日をきっかけに大きく変わり始めました。
第2作では、その変化を抱えたまま夏休みへ進み、それぞれの感情や距離感がさらに複雑になっていきます。
そして第3作。
これまで絡み合ってきた4人の関係は、いよいよ「この先どうなるのか」という段階へ進みます。
第1作が「関係が変わる話」、第2作が「変わった関係の中で過ごす話」なら、第3作は「それぞれが次の関係を選んでいく話」。
第1作から続いてきた4人の青春を描く本編シリーズは、本作で一つの区切りを迎えます。
全155ページで、前作と同じボリューム。
この記事では、『カラミざかり3』の作品情報・あらすじ・登場人物・第2作との違い・見どころ・おすすめしたい人・読んだ感想を、結末の大きなネタバレを避けながら紹介します。
『カラミざかり3』の作品情報
【作品情報】
作品名
カラミざかり3
作者
桂あいり
配信開始日
2020年11月13日
作品形式
コミック
ページ数
155ページ
題材
オリジナル
シリーズ
カラミざかり 第3作・本編完結編
『カラミざかり3』は、第1作から続いてきた男女4人の物語を締めくくるシリーズ第3作です。
本作だけを切り取るというより、第1作で何が始まり 第2作でどこまで関係が変わり 第3作でそれぞれが何を選ぶのかという流れで読むと、作品の位置づけが分かりやすくなります。
ページ数は『カラミざかり2』と同じ155ページ。
第1作の91ページと比べると、後半2作品はより長いページ数を使って4人の関係を掘り下げています。
そして第3作では、これまでの出来事をさらに増やすことよりも、積み重ねてきた人間関係をどこへ着地させるのかが重要になります。
そのため、シリーズを初めて読む人は第1作から順番に進む方が、それぞれの選択や会話の意味を理解しやすいでしょう。
『カラミざかり3』のサンプル画像





『カラミざかり3』のあらすじ
高成・新山・飯田・里帆。第1作の最初では、4人は何気ない学校生活を一緒に過ごす普通のクラスメイトでした。
しかし、ある夏の日をきっかけに、友情だけでは説明できなかったそれぞれの気持ちが表へ出始めます。
誰が誰を意識しているのか。自分の気持ちはどこへ向いているのか。そして、一度変わってしまった関係は元へ戻れるのか。
第2作では、そんな気持ちを抱えたまま物語が夏休みへ進みました。
そして第3作では、これまでの出来事を経験してきた4人が、それぞれ次の関係を探し始めます。
同じ4人でいること。以前の関係へ戻ること。新しい距離を選ぶこと。どの道を選んでも、第1作の最初とまったく同じ状態には戻れません。
「変わってしまった4人は、それでもどんな関係なら前へ進めるのか。」
第3作では、この問いに少しずつ答えが見えてきます。
個人的に第3作らしいと思ったのは、物語の関心が「次に何が起きるのか」から、「この4人はどこへ着地するのか」へ変わっているところです。
第1作・第2作で十分に関係が動いたからこそ、完結編では新しい出来事を増やす以上に、それぞれの選択そのものが気になります。
『カラミざかり3』の登場人物
高成
シリーズを通して物語の中心となる男子の一人。
第1作では、周囲で起きる変化を受け止めながら、自分自身の気持ちにも向き合うことになります。
第2作では、一度変わってしまった関係の中で周囲を見る立場へ。
そして第3作では、これまで経験してきた出来事を踏まえ、自分がこれからどんな関係を選ぶのかが重要になります。
シリーズを通して見比べると、最初の頃とは人間関係への向き合い方が変わっている人物です。
新山
高成たちと一緒に過ごしてきたクラスメイト。
第1作から、4人のバランスを動かす存在の一人として描かれてきました。
第3作では、それまで積み重なった関係の中で、新山自身がどこへ進むのかに注目です。
単純に「4人の中の一人」ではなく、これまでの出来事がほかの3人へ与えた影響まで含めて見ると、シリーズでの役割が分かりやすくなります。
飯田
4人の中心メンバーの一人。
シリーズを通して複雑な人間関係を考えるうえで欠かせない人物です。
第3作では、これまでの出来事を経て飯田自身がどんな立場へ進むのかもポイントになります。
また、本編完結後には飯田を扱った関連作品『カラミざかり番外編〜貴史と飯田〜』も用意されています。
里帆
高成たちと学校生活を送ってきたクラスメイト。
第1作から、友情・片想い・すれ違う感情の中で4人の関係を形作ってきた人物の一人です。
完結編では、これまでの積み重ねを抱えながら、里帆自身がどんな距離を選んでいくのかが重要になります。
『カラミざかり3』は第2作と何が違う?
第2作は「関係の途中」、第3作は「関係の行き先」
第2作では、4人の関係はまだ変化の途中でした。
一度崩れたバランス。それでも続く友人関係。相手に対する気持ち。夏休みという環境。こうした要素が重なりながら、4人の距離はさらに変わっていきます。
第3作では、「ここからさらにどう複雑になるか」だけではなく、「この複雑になった関係は最終的にどこへ向かうのか」へ興味が移ります。
個人的には、
第2作=変化の途中
第3作=変化の着地点
と考えると違いが一番分かりやすいです。
4人が「元に戻る」以外の道を探す
第1作の最初のような4人へ戻れれば、すべて解決するようにも見えます。
しかし、シリーズを通して経験したことを完全になかったことにはできません。
4人自身も以前とは変わっています。
そのため第3作で重要なのは、「どうすれば昔へ戻れるか」というより、「これまでを受け入れたうえで、どんな新しい関係なら続けられるのか」という部分です。
完結編らしいテーマだと感じます。
「この後どうなる?」への答えが見えてくる
第1作を読み終えたときには、「4人はこれからどうなる?」という疑問が残ります。
第2作でも、その疑問はさらに大きくなります。
第3作では、そこへ少しずつ答えが用意されていきます。
そのため本作は、単独の出来事を見るというよりも、シリーズを追ってきた読者が4人の行き先を見届ける作品としての意味が強くなっています。
個人的には、完結編だからといって「全部きれいに元通り」にしないところが重要だと思いました。
4人はすでにいろいろな感情を知っています。
だからこそ、昔へ戻るより「今の4人に合う関係を探す」方が自然に感じられます。
ページ数は第2作と同じ155ページ
シリーズのページ数は、
第1作:91ページ
第2作:155ページ
第3作:155ページ
です。
第2作で増えたボリュームをそのまま維持しながら、完結編まで描いています。
第1作は4人の紹介と変化のきっかけ。
第2作は変わった関係の掘り下げ。
第3作はその関係の着地点。
というように、同じ登場人物を継続して描くことで、後半になるほど人物紹介より人間関係そのものへページを使える構成になっています。
『カラミざかり3』の見どころ
第1作から積み重ねた「4人の関係」が答えに近づく
本作最大の見どころは、やはり4人の関係そのものです。第1作だけで突然始まって、第3作で突然終わる物語ではありません。
最初は普通のクラスメイト。そこから感情が表に出る。関係が変わる。変わった状態で過ごす。そして、それぞれが次を考える。
この積み重ねがあるため、第3作では何気ない選択にも意味が生まれます。
シリーズを最初から読んでいるほど、4人の変化を感じやすい作品です。
「誰と誰がどうなるか」だけで終わらない
人間関係を描く作品では、最終的に誰と誰がどうなるのかに注目しやすいです。
もちろん本作でもそこは重要です。ただ、『カラミざかり』の場合は、4人がどういう経験をしたか その経験によって何を感じるようになったか相手を見る目がどう変わったかまで追ってきました。
そのため完結編では、結果だけを見るより、「なぜその関係へ進んだのか」を考えながら読む方がシリーズらしさを感じやすいです。
最初の4人を思い出すと変化が分かりやすい
第3作を読むとき、個人的におすすめなのが第1作の序盤を思い出すことです。
学校で普通に話している4人。何気ない友人関係。まだ表に出ていない感情。
その状態から第3作まで来ると、「この4人、本当に変わったな」と感じやすくなります。
一つの作品だけで急激に変わったわけではなく、3作品をかけて少しずつ関係が動いてきたことが分かります。
完結編だからこそシリーズを通して読む意味が大きい
『カラミざかり3』は、3作品の中でも最も単独読みよりシリーズ読みが向いている作品です。
前作までを知らないと、なぜこの人物が悩んでいるのか。なぜこの距離感になっているのか。なぜその選択が重要なのか。が分かりにくくなります。
逆に第1作から読んでいれば、短い会話や小さな行動にもそれまでの積み重ねを感じられます。
完結編だからこそ、過去2作品の意味も大きくなる。
ここが本作の特徴です。
『カラミざかり3』はこんな人におすすめ
本作は、次のような人におすすめです。
・『カラミざかり』『カラミざかり2』を読んだ
・4人の行き先が気になっている
・青春群像劇が好き
・複雑な人間関係を描いた作品が好き
・片想いやすれ違いを追いたい
・登場人物の心理変化を重視したい
・同じ登場人物を長く追うシリーズが好き
・人間関係がどう着地するのか見届けたい
・第1作からの変化を比較したい
・150ページ前後のストーリー作品を読みたい
・シリーズを最後まで読み切りたい
・本編完結後の番外編にも興味がある
特に、第2作まで読んで「この4人は結局どこへ向かうんだろう」と感じている人には、その答えを確認するための完結編としておすすめです。
逆におすすめしにくい人
第3作は、第1作・第2作の人間関係をかなり強く引き継いでいます。
そのため、本作からいきなり読むよりもシリーズを最初から読む方が向いています。
特に、誰が誰を意識してきたのか なぜ4人の距離が変わったのか 夏休みまでに何が積み重なったのかが分からない状態では、完結編の意味が薄くなってしまいます。
単独で完結する一話だけを探している人より、3作品を一つの青春ストーリーとして楽しみたい人向けです。
『カラミざかり3』を読んだ感想
読む前に一番気になったのは、「これだけ複雑になった4人の関係を、最後にどうまとめるのだろう?」という部分でした。
第1作では、普通のクラスメイトだった4人の関係が変化すること自体に大きな印象があります。
第2作では、「もう変わってしまった。その状態でどう過ごすのか」へ話が進みました。
そして第3作では、さらにその先です。
個人的に良いと思ったのは、「全部なかったことにして元の4人へ戻る」という方向だけで整理していないところです。
4人はそれぞれ、シリーズを通していろいろな感情を経験しています。
相手を見る目も変わっている。自分自身の気持ちも変わっている。
そうなったあとで、「昔みたいに戻ろう」だけでは少し不自然です。
本作ではむしろ、「今の自分たちなら、どんな関係へ進めるのか」という方向が重要になります。
ここが個人的には完結編らしいと感じました。
また、第3作を読んでいると第1作の序盤を思い出します。
何気なく一緒にいた4人。その頃は、ここまで人間関係が変わるとは感じません。
しかし、
第1作で変化が始まり
第2作でその変化が深まり
第3作でそれぞれが次を選ぶ
という流れを追うと、一つの青春ストーリーとしてかなり分かりやすくなります。
155ページというボリュームも、完結編には合っています。
ただ結論だけを見せるのではなく、これまでの関係を踏まえながら、それぞれがどこへ向かうのかを追う余裕があります。
個人的には、「男女4人の関係を整理する最終巻」ではなく、「普通の友人だった4人が、夏の出来事を通して変化し、それぞれ今の自分に合う関係を探していく青春群像劇の最終章」として見ると、『カラミざかり3』の魅力が一番分かりやすいと思いました。
第1作だけを見ると、「この4人はどうなる?」という作品。
第2作では、「もう元には戻れないのでは?」という作品。
そして第3作では、「では、この4人はどこへ進む?」という作品になっています。
シリーズを最初から読んできた人ほど、最初と最後の4人を比べながら楽しみやすい完結編です。
『カラミざかり3』のよくある質問
Q. 『カラミざかり3』はどんな作品ですか?
A. 第1作・第2作を通して変化してきた高成・新山・飯田・里帆の4人が、それぞれ次の関係を探していく「カラミざかり」本編シリーズの完結編です。
Q. 作者は誰ですか?
A. 作者は桂あいりです。
Q. 『カラミざかり3』はシリーズ完結編ですか?
A. はい。第1作から続いてきた男女4人の本編ストーリーは、『カラミざかり3』で一つの区切りを迎えます。
Q. 第1作・第2作から読んだ方がいいですか?
A. はい。前作までの人間関係や感情の変化を引き継いでいるため、『カラミざかり』→『カラミざかり2』→『カラミざかり3』の順番がおすすめです。
Q. 何ページありますか?
A. 全155ページです。第2作と同じページ数です。
Q. 第2作とは何が違いますか?
A. 第2作では変わった4人の関係がさらに進んでいきました。第3作では、これまでの出来事を経験した4人が、それぞれどんな関係へ進むのかが大きなポイントになります。
Q. 結末まで描かれますか?
A. 本編シリーズの完結編として、第1作から続く4人の物語に一区切りがつきます。この記事では具体的な結末については触れていません。
Q. 第3作だけでも読めますか?
A. 単独で読むこともできますが、4人の関係がここまで変化した理由を理解するには第1作から順番に読む方が向いています。
Q. 完結後にも関連作品はありますか?
A. はい。本編完結後の関連作品として『カラミざかり番外編〜貴史と飯田〜』があります。
Q. どんな人におすすめですか?
A. 青春群像劇、人間関係の変化、片想いやすれ違い、シリーズを通した登場人物の成長や心理変化を追いたい人に向いています。
『カラミざかり3』まとめ
『カラミざかり3』は、桂あいりによる「カラミざかり」シリーズ第3作で、本編の完結編です。
シリーズの流れを整理すると、
第1作=普通だった4人の関係が変わり始める。
第2作=変わってしまった関係を抱えたまま夏休みへ進む。
第3作=その経験を経た4人が、それぞれ次の関係を探していく。
という構成です。
本作で重要なのは、単純に最初の4人へ戻ることではありません。
一度変わった感情。それぞれが経験したこと。相手を見る目の変化。
そのすべてを抱えたうえで、今の4人にとってどんな関係が自然なのかを探していくところに完結編らしさがあります。
全155ページで、第2作と同じボリューム。
個人的には、「4人の関係に答えを出す作品」ではなく、「第1作から変化してきた4人が、それぞれ次へ進むための青春群像劇の最終章」として読むと、本作の魅力が最も伝わりやすいと思いました。
これからシリーズを読むなら、
『カラミざかり』
↓
『カラミざかり2』
↓
『カラミざかり3』
の順番がおすすめです。
第1作の何気ない4人を知っているほど、第3作でそれぞれが選ぶ関係の意味を感じやすくなります。
サンプルを見て絵柄や作品の雰囲気が気になった方は、本編もチェックしてみてください。
作者、桂あいりさんの別作品